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SS/彼は美しく笑う 0

性描写がございます





0/できない男




 西湘バイパス箱根口インターチェンジを出ると東海道へとタクシーは入っていった。箱根登山鉄道を沿うように作られた国道1号線は入生田駅を過ぎて箱根湯本駅に差し掛かる。観光地らしく土産屋が並ぶ駅前は、行楽シーズンを過ぎてもポツポツと観光客の姿が確認できた。登山にでも行くのか、重そうなリュックを担ぐ子供連れの夫婦を横目で眺めていると、隣から桜井夢子の寝息が聞こえてくる。無理もない。ロケ終了直後の渋谷から無理やりタクシーをつかまえて着の身着のまま、東名高速から一時間半ノンストップの旅路。どういった事情なのか、聞きたくて仕方ないタクシーの運転手が先ほどからチラチラとバックミラーを覗いてくるのに辟易してしまう。
 目的地の宮ノ下まではあと少し。首を落とす夢子に秋月涼は肩を貸しながらもう一度、窓の外へと意識を逸らした。
 夢子がそのワガママを言い出したのはちょうど一週間前のことだと涼は記憶している。様々な困難を経て恋人として付き合うことになった二人も、一ヶ月も過ぎると言いたいことが出てくるようになる。もちろんお互いに苦境を乗り越えた繋がりは生半可なものではなく、周囲からもバカップルと認められるほど恋人関係は良好。だから、夢子がワガママを言い出したことは、精神的に追い詰められていた当時の彼女を知っていればこそ、涼にとっては喜ばしいことだった。
「だからってねぇ……」
 タクシーは箱根登山鉄道大平台駅を通り過ぎると、国道138号線、箱根裏街道へと入っていく。左手の山を越えた先には屋外型の美術館があるという運転手の話と共にタクシーは山の中へと進入する。舗装もろくにされていない山道は灯りもなく、日もずいぶんと長くなってきたとはいえ、ヘッドライトだけの薄暗い道はどこか薄気味悪い。そんな涼の怖気を無意識にも察したのか、服の端を握る夢子の手に彼は頬を緩めた。
 夢子が涼と恋人関係になった時、最も夢子にとって大変な時期だったと彼は記憶している。他アイドルへの妨害行為の発覚、日本を代表するアイドルになった涼との熱愛報道。否が応にも騒ぎ立てる周囲の雑音は、まだ10代の彼女にとってどれだけの苦痛であったことか。所属事務所もようやく決まり、騒動も収まってきた今の時間がどれほど貴重なものか。鈍感だと常日頃から言われている涼にも容易に想像できることだ。涼は自分の裾を掴む夢子の手に、空いている手を重ねた。
 五分ほど悪路を進んでいくと、迫るように左右から生い茂っていた林道から抜ける。ちょうどぽっかりと、くりぬいた様に開けた空間は森の中に現れた異世界のようにも思えた。更にタクシーは進み、やっと目的の建物が見える。涼は隣でイビキをかきはじめた少女の肩を揺らした。なによう、と目をしばたかせる夢子もようやく着いたことを察すると、我先とばかりにタクシーから飛び出そうとドアをこじ開ける。夢子ちゃんっ、と清算に手間取りながらも涼もその後に続いた。
 別荘、と聞いた割りにずいぶんと古びていてこじんまりとしていた。横に長く伸びた背の高い建物は年代物のコテージといった造り。玄関から大きく張り出したウッドデッキには同じように古めかしい安楽椅子が置かれている。斜面を描く木造の屋根からは左右対称の窓が二つ突き出し、こちらを窺うような人影が一瞬だけ見えて、緊張をほぐすように涼は肩をすくめた。
 夢子も別荘の異様な雰囲気を感じ取ったのか、飛び出した足が徐々に重くなっていく。ウッドデッキに上り、確認するように玄関の覗き窓と涼と、首を往復させながら彼女は呼び鈴を押した。ピンポーンと思いのほか、一般的なそれに妙に脱力しながらドアが開いて、目的の人物が顔を見せるのを待った。
 よく迷わないでこれたね。
 武田蒼一は二人を確認すると、相変わらず眉一つ動かさずに歓迎した。夢子はようやく見知った人間に出会えた安心感からか、武田さんっ、と彼の腕に抱きついている。未だに居心地の悪さを感じている涼はそこから動くこともせず、武田がこちらに顔を向けたところで諦めた様に歩を進めた。
 普段は見ることのない、ざっくりとした黒のカットソーに細身のジーンズというシンプルな出で立ちはかえって、武田本人の素材の良さを意識させる。絶えず口元に漂う不敵な笑みはなるほど、やや現実離れした場所だからこそ際立つものかと感心してしまうほどだった。振り向けばタクシーはもう林の中へと戻って行き、涼は妙な孤立感を覚えてしまう。
 もう元の場所には戻ってこれないのではないか。どういった類の不安かもよく分からないが、それでもざわざわと胸にひっかかるそれはすぐに拭い去ることは出来なかった。
「秋月くん、君も早く入りたまえ」
 それでも武田に呼ばれると、涼は振り払うように別荘へと足を踏み入れる。別にホラー映画でもなし、涼はぐるりと室内を見回した。
 中は外観そのままに木の色が部屋全体を覆う穏やかなもの。部屋を仕切る壁やドアは少なく、入ってすぐ居間が目の前に広がっている。向かって右手には部屋が続きその奥はどうやら台所のようだ。その反対は客間用なのだろう。壁に取ってつけたような簡素なドアが見えた。てっきり二階建てかと思っていたがロフトのような造りとなっており、一階の居間から見上げるとすぐに、この家には不釣合いに映る無骨なパソコンとそれを載せた作業机が見える。この居間を中心に必要な生活空間が広がっているのだろう。来客用のソファもずいぶんくたびれていた。
 ついついキョロキョロしてしまっていたのだろう。巡らせた視線の先に佇む武田は僅かに首を捻って見せる。
「君も猫を殺してしまうタイプのようだ」
 極力、言わずとも分かれ、というのが武田のスタンスなのだろう。有無を言わせない迫力にどう言おうか迷っていると、「まあ」と、武田の方から話を区切った。
「彼女に比べればマシなのだがね」
「すごーい! お風呂ひろーい! ほら涼、アンタもこっち来なさいよ!」
 なんかもうほんとすいません。今度こそ涼は顔を真っ赤にして俯いた。

 湯飲みを二つ持った武田に促されるままにソファに座ると、膝の高さほどのテーブルを挟んで武田と対峙する。差し出される梅こぶ茶はいつもどおりだったが、とても普段の様に喋る余裕はなかった。夢子も夢子で、今更になってはしゃいでいたのを反省しているのか、モジモジと涼の隣で恥ずかしそうだ。彼女から話を切り出すことはなかったが、騒がれるよりはマシと涼の方から口を開いた。
「突然、お邪魔したのにありがとうございます」
 ペコリと頭を下げると、武田は二人が来た時から出しっぱなしにしているコーヒーカップに手を伸ばす。表情の変化に乏しいことは分かっていたが、ことさら今日はそこから漏れ出る感情にまで錠をかけられている気がしてならない。逃げるように湯飲みを手に取ると、思いのほか熱くて慌てて手を離す。一人だけ挙動不審になってしまったことに落ち込んでいると、武田の方から助け舟を出してくれたことは意外だった。
 すまない、と切り出した彼は何度か体勢を整えるように背筋を伸ばす。長い足を組んで微笑みを作ると、そこにはもういつもの武田蒼一がいた。
「別に君達を怖がらせる為にやったわけじゃない」
 時に変人とさえ揶揄される、あまりに真摯な瞳に嘘偽りは無い。そのあたりは付き合いがそこまで長いわけでもない涼にも感じとれた。ただ、と彼は続ける。
「僕はそもそもが何かを作り出す人間じゃない。せいぜい場を提供するだけだ……それでもというなら相応の準備がいるし、相手にもそれを強いる。意味は分かるね?」
 桜井くん、と涼からスライドした視線は夢子を捉えた。武田の言葉の意味なら十分に分かっているのだろう。体の脇に置いた涼の掌を探るように、夢子の手が絡み合ってくる。僅かに震えている理由は涼も分かっているだけに、あえて彼女が答えるまで待った。
 しばしの逡巡の後、小さく一回、頷いてみせる夢子。なぜだか涼の方がほっとした顔を見せていたが、彼女が恐々と口を開き始めてまた緊張した面持ちに戻した。
「その……私がどういうことをしてきたか、分かってます。反省もしてます。だから、一生懸命努力しました。甘えてるかもしれませんが、今なら武田さんにも認めてもらえるかと思ってます。ですから、その」
 お願いします。
 ソファから立ち上がった夢子は深々と頭を下げる。続くように、涼もまた立ち上がると頭を下げた。
 涼は思う。確かに夢子がしてきたことは褒められるものじゃない。今も続く彼女へのバッシングはもちろん、謂れのない中傷もある意味では必要なのかもしれない。それぐらい罪滅ぼしとは、報いとはかくあるべきと。夢子の恋人だからこそ、他人が思う以上に厳しくしなければいけない涼の覚悟がそこにはあった。
 アッシュ素材の一枚板とにらめっこをすること数秒、ブラウンが目に焼きつくほどの緊張に音を上げそうになるところで返事はきた。
「ここは、おおまかな手入れは管理の人間がやってくれるんだが炊事や洗濯は自分でやらなければいけなくてね……ちょうど、家政婦がほしかった所だ」
 二人して顔を上げると、武田はイタズラッ子のような笑みを浮かべながら首を揺らす。随分とキザなのかもしれないけれど、彼にはとてつもなく似合っていた。
「報酬はそうだな……僕の曲でどうかな」
 言い終わるよりも前に「武田さん!」と、夢子は抱きつく。抱きつかれながらも器用にコーヒーを飲んでいるのは流石と言うべきか、武田の視線がこっちに向いていることに気づいて、涼もまた満面の笑みを浮かべた。

/

 もう夜も遅いので、本格的に家政婦としての仕事は翌日となった。期間は二人が滞在できるギリギリの日数ということで一週間。まるでどこぞのメイド喫茶のような服もあるらしく、いったいなぜ用意してきたのか、涼にもメイド服を渡された。夢子のためと、笑う彼女を見ないように彼はあらゆる感情と言葉を飲み込んだ。
 部屋は男女一緒でも問題ないので、一部屋があてがわれた。本来は客間ということもあって壁の両端にひとつずつツインベッドが置かれ、内線用の電話やテレビと必要なものは揃っている。これからまた仕事だと口だけで嘆く武田がドアを閉めると、我慢していた喜びと共に疲れがドッと涼の体にのしかかった。まだ先ほどからの興奮が冷めない夢子は、涼の手を取ってその場でずっと飛び跳ねている。最近はずっと塞ぎ込んでいるような表情が多かっただけに、無邪気に喜ぶ姿を見ているだけでも安心した。
 手を取り合ったままクルクルと回っていた二人は、遠心力に任せてそのままベッドへと倒れこむ。ちょうど涼が夢子に覆いかぶさる形になり、唇を重ねるのには時間がかからなかった。
 部屋で二人きりになると、まるで旅行にでも来たような気分になる。お互いにアイドルという手前、旅行らしいこともしてこなかった二人にとって錯覚するのには十分な状況。徐々にキスが濃密さを増していき、お互いの手が相手の体をまさぐり始めたところで明かりは消された。
 二人が肉体的な関係を持ったのも、夢子の追い詰められた状況がそうさせた。もう言葉や態度だけでは彼女を支えることに限界を感じ始め、また夢子も涼から与えられるたどたどしくも荒々しい快楽に逃げ込んだ。根本的な解決になどならないことは分かっていたが、そうしなければいずれは夢子が壊れてしまう。処女を奪ったとき、どこかホッとしたような顔を彼女が見せたことを涼は忘れない。
 これでやっと、私、涼のものだ。
 重ねていた唇を徐々に下に降ろして、胸元へと達する。同年代のアイドルと比べても豊満な夢子の胸に顔をうずめると、彼女の腕が涼の頭を抱きしめ返す。チロチロと舌を伸ばして乳房の間を舐めると、汗のしょっぱい味がした。
 普段から女物の服を着ているせいか、暗闇でも夢子の服をあっという間に脱がせてしまう。乳房の間だけでなく、全身にしっとりと汗をかいた彼女の肌が同じように裸になった涼の肌に張り付く。もどかしいほどに体を押し付け、腹部に剛直を押し付ける度に夢子の体は震えた。胸にうずめていた顔を上げると、夢子は嬉しそうに笑っている。
 肉体関係を結んでからというもの、夢子は涼が気持ち良いか、ということに執着するようになった。どこで仕入れてくるのか、セックスをする度に男を悦ばせるテクニックを披露する彼女はどこか必死さも垣間見える。まるでそうしなければ自分が捨てられてしまうのではないか、という不安。そのまま一泊した朝では、寝ている涼のペニスに舌を這わせるほどだった。
 そこまでしなくても良いよ。そう言えば言うほど、夢子の肉体奉仕はエスカレートしていく。
 股下に入れた手がベトベトになるほど濡れていることを確認し、涼は体を起こす。仰向けのままの夢子の膝を掴むと、ゆっくりと開いていく。肉付きの良い太ももの肉の谷間、男を受け入れる準備の整った肉壷が、暗い室内でも少ない光を頼って淫液でテラテラといやらしく誘う。そのまま吸い付きたい衝動にも駆られたが、「早く」と言う夢子のおねだりに負けた。
 亀頭を膣口に密着させ、その奥へと照準を絞る。我慢できないとばかりに夢子は涼の背中に腕を回すと、そのまま抱き寄せていく。ググッ、と入り口の抵抗感はすぐに湿潤な膣内へと容易に侵入されることで精液を搾り取る為のものへと目的を変える。奥まで挿入されたことを膣内で感じると、夢子はいよいよ普段の気丈な顔を崩して涼の女へと変貌した。
「涼、のっ、ふといぃぃ……あぁん!」
 涼が突き込む度に夢子の口からみだらな言葉が囁かれる。わざと耳元で挑発するような行為に涼のピストンは速度を増す。コツッコツッ、と子宮口を叩く刺激は、セックスを繰り返すうちに弱点となったもののうちの一つ。夢子は歯の根がガチガチと鳴り始め、埋めていた顔を離すと、イヤイヤと切羽詰った顔で夢子は訴えていた。
 性的行為に積極的で、男にとってサービス過多気味の夢子が見せる臆病な顔が涼は好きだった。サディスティックな性癖はでも、平素から覗かせる追い詰められた彼女を見たいわけではない。あくまで自分に翻弄される夢子が見たいだけ。それだけでも随分な趣味だけれど、ニッコリと老若男女問わず魅了する満面の笑みを浮かべた涼に、夢子は顔を赤くしたり青くしたりと忙しい。
 硬度の増したペニスは大げさなほどに前後され、受け入れる夢子の太ももが小刻みに震えだす。顔はいつ来るやもしれない絶頂に耐えるように、ぎゅっと目をつぶっていた。このままいけば、いずれオーガズムに達するだろう。しかし、それだけでは涼は満足しなかった。
 目、開けて。
「やぁ……。りょ、涼の、あ、かお見ちゃうぅぅぅぅっ……」
 なんともいじらしいことを言ってくれる。けれど、歯向かったらどういうことになるか教えてあげなければいけない。ピタリと、腰の動きを止める。それでもウネウネと誘い込むような膣襞の動きは、比較する対象がいないけれど名器と呼べるものだ。
 恋人が動かなくなり、夢子は心地よく昇っていた階段から突き落とされるように懇願し始める。
「止まんないでぇっ、お願いぃ……! すき、す、好きにしていいからぁっ」
 言い終わる前に始まるピストンと急な快感に、ひっ、と夢子は食いしばる。しかし、そんな必死に築く砂の城も快楽の波にさらわれてあっという間に決壊していく。もう堪えることもできず、半開きの口が降参を認めた。
「や、いや、もう気持ちいいのぉ、気持ち良いのぉぉぉ……!!」
 涼を抱きしめていた手にいっそう力がこもり、腕に食い込む爪が痛いけれど気持ち良い。涼はニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべながら、嫌がりながらもイキ顔を晒す彼女の一挙手一投足を見つめていた。

/

「ゆめ、こちゃん……! うぅぅっ!」
 背中から抜けていく刺激と共に、ペニスは射精する。夢子は喉奥を出来る限り開いて迸る精液を受け止めていく。涼が快感で震えている間も、右手は射精を促すように上下を続ける。ひとしきり吐精が終わると、尿道に残る精液を吸いだそうと口をすぼめた。
「夢子ちゃん、やめ……いぁ……」
「やら」
 手馴れた動きで精液を搾り出し、鈴口を丹念に舐めて綺麗にする。さきほどまで散々、弄っていた相手から受ける反撃。夢子も楽しくて仕方ないのか、射精直後の陰茎を口の中で転がしては涼の反応を探っていた。
 もうっ、と夢子の両肩をつかむと、無理やり引き剥がす。ああっ、と名残惜しげに涼のだらけきった逸物を見ながら、夢子は恨めしげな視線を向ける。
「だって、今日も出してくれなかったし……」
 その言葉に涼は詰まる。夢子とのセックスで彼は射精が出来ない男だった。手で扱いたりフェラチオなら射精出来るのだけれど、肝心のセックスでは何度、肌を重ねても出来ない。刺激が足りないのでは、と今やコンドーム無しのセックスが当たり前になってしまったぐらいだ。さすがに膣内射精はと涼は言うけれど、何度も上書きされるように降り積もったわだかまりは早々解消されるものでもない。
 新品の枕を抱きかかえると、夢子は体を丸めた。
「私の体、気持ち良くないんでしょ……?」
 そんなわけない。すごく気持ち良い。気持ち良くなきゃこんなことしない。夢子が落ち込む度に涼はあの手この手を尽くすのだけれど、そうそうレパートリーが続くわけもなく、今ではこの諍いもルーティンに入っているほどだ。僅かにではあるが、涼にとってセックスはプレッシャーを伴う行為ですらある。
「ごめん。でも違うよ、夢子ちゃん」
「なにが違うのさ……もういい、寝る」
 ごめんね。
 モゾモゾと壁際まで寄って背中を向ける恋人に、涼はもう一回だけ謝ると、出来るだけ夢子に寄り添うようにして寝る。どうして射精できないのか、自分を責める声と必死に格闘しながら目を瞑るのだけれど、真新しい環境でそうそう寝付けるはずもない。おまけに裸で密着することで、またペニスに血液が集中してしまうことに涼は落ち込んだ。
「……当たってる」
「ご、ごめん」
 涼が謝ると、もうっ、とその場で体の向きを変える夢子。向かい合わせになると、まだ少し夢子の唾液で濡れている陰茎に手を這わせる。その目が徐々に情欲に浮かされていることを、涼もまた股間から送られてくる刺激に合わせて感じ取った。
 夢子を抱きしめる。不器用な自分が出来る精一杯の愛情。夢子も恥ずかしいのか、もぞもぞと涼の体の中で体を揺らしながら恋人の耳元で囁いた。
「浮気されたらヤだし、ね?」
 なんだかんだで優しくて、エッチな女の子。それを実際に口にしたら殴られそうだけど、涼は彼女の愛情に応えようと唇を重ねた。





つづく

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