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女プロデューサー 尾崎玲子 9(最終回)

性描写がございます









9.楽園


「ん……! ふっ……!」
 絵理の不安は的中していた。白旗を揚げてから三日。ようやく絵理に呼ばれた尾崎の心中はその時から随分と様変わりしていた。
「えりっ……んん!」
 後悔、自責、反省。あらゆる理性的で横柄な言葉が彼女を責めたて、未だに疼きを訴える体とは裏腹な思考が尾崎を占めている。
 まだまだこれからという若者の未来を奪い、踏みにじるような行為をしてしまうのは如何なものか。
「いい……ああっ、絵理ぃっ……!」
 年長者の自分がしっかりしなくてどうする。三日も放ったらかしにされた体を慰めながら、尾崎は絶頂の中に咲くかりそめの理性に満足した。
 自慰の余韻をベッドの上で泳がせながら、尾崎は震える手で枕の脇にある携帯を取る。メールボックスを開き、もう何度も目を通した文面をまた追ってしまう。その度にニヤつくことを抑えられず、先ほどまでは一応、理性ある大人を演じていた自分があっという間に雌へと押し戻されていく。所詮、人間は下方へ落ちるもの。尾崎という人間を形作る様々な要素の中で一番、素直で純粋な自分が囁く。たった一文の文章を何度も何度も読み返し、尾崎は睡魔に任せるままに意識を落とした。
 明日、一日中?

/

 33階建てマンションの30階。関係を解消した時も返すことのなかった合鍵を鍵穴に通すと、当然だけれどスムーズに扉は開いた。久方ぶりの絵理の部屋の匂いが鼻腔をくすぐり、体が犬畜生よろしく勝手に疼きを覚えてしまう。この後に行われることを考えれば気にする必要もないのだけれど、まるで期待しているような自分が浅ましく感じた。
 玄関からどうしてもあがる気になれず、絵理を呼ぶけれど返事はない。渋々、中に入って奥の寝室へと足を運ぶとやっと声が聞こえた。しかし、そこで尾崎は首をひねる。確かにそれは年頃の女の子のようなのだけれど、意味のある言葉ではなかった。切羽詰り、追い詰められた切ない声。まさか絵理が一足先に自慰でもしているのか。浮かぶ妄想に目尻をだらしなく下げながら、尾崎はもう一度、少女の名前を呼びながらドアを開いた。
 ドアを開けた瞬間、汗と体液の交じり合った臭いが鼻について顔をしかめる。カーテンも閉められた部屋は薄暗く、目が慣れない中でベッドの上ではもぞもぞと何かが動いていた。絵理だろうと尾崎はあたりをつけるのだがもう一人、絵理らしき影に誰かが組み敷かれていた。その時になって漏れる嬌声も絵理のものでないと気づき、徐々に暗闇に慣れてきた目が捉えた人物に尾崎は固まった。
 ソレは、もう言葉になっていないあえぎ声の中で確かに"センパイ"と鳴いた。
「サイネ……」
「センパイ! いいデスゥ! もっと! もっろぉ!」
 普段は二つ結びにしている髪は下ろされ、その人工的な色合いの金髪をベッドの上に広げている。口はだらしなく開かれ、目はまだ暗くてよく見えないが、性交の快楽に酔っていることは感じ取れた。なによりあの理解不能な服装に下に隠された、意外と凹凸のある体が一切の恥じらいもなく絵理の前に晒されている。珍妙な格好を好むくせに、絵理にさえなかなか肌を見せようとしない彼女。その徹底振りに過去を穿ってみたこともあったけれど、今はその全てを捧げていた。
 サイネリアに覆いかぶさった絵理はリズミカルに腰を打ちつける。その度にサイネリアとベッドが揺れ、体中に走る快感に食いしばっていた顔が容易く崩れていく。尾崎も堪えられないほどの剛直。まだまだ未成熟な彼女の体が受け止めることなど出来る筈がない。ベッドに投げ出された脚は激しいピストンに細かく震えるだけで、どれだけの快感にヨガリ狂わされたのか。考えるだけでも疼いてしまう体を両の手で抱きしめた。
 中空をだらしなくさ迷っていたサイネリアの瞳がようやくこちらに気づく。けれど、正常な思考は根こそぎ奪われたのか、エヘヘ、と頬を垂れる涎も構わずに彼女は尾崎に向かって笑ってみせた。
「ロン、げ、こんな、センパイのああぁ! す、すごいものひとりじめなんてぇ……!」
 絶頂が近いのだろう。機械のように一定のリズムを刻む絵理の首に腕を回すと「センパイ、アタシもう……!」と首を横に振る。数え切れないほどイかされているのか。度重なる快感は時に恐怖を覚える。しかし、絵理はピストンをやめようとしない。ガチガチと、サイネリアの歯の根が鳴り始めた。
「お、お願い、しますセンパァイィ……!」
「じゃあ……もう、終わり?」
「あ……うっ、ウソですぅ! もっと、もっとしてクダサイィ! オネガイですカラァ!!」
 なんだかんだで頼りになる電子の妖精はとっくになる堕落していた。その事実に尾崎は膝を落とす。絵理を慕いながらもそれ以上の一線はけして踏み越えようとしなかった、ある意味で尾崎以上の絵理の信奉者がこうも容易く絡め取られていたなんて。時には絵理についての相談も乗ってもらっていた好敵手の痴態。もう落ちるとこまで、と思っていた先の暗闇へ突き落とされたような絶望が彼女を襲う。ただ、現実は更に素直で過酷であった。
 目の前で行われているセックスが否応なしに尾崎の体を高ぶらせる。出来るならば今すぐにでもこの邪魔な服を剥ぎ取り、ベッドの中に混ざりたい。自分の代わりに愛されている邪魔者をどかし、目一杯愛してもらいたい。意識も飛ばしがちなサイネリアの呻き声の中、徐々にそれとは違う別の声が混ざり始めた。
「えりぃ……うぅ、えり……!」
 下着は用を為さないほどに濡れ、我慢できずに突き入れた指だけでもイキそうになる。呆然と開いていた口は今や涎を流すだけのものとなり、気づかぬうちに友人まで堕とされた情けなさがすぐに気持ち良さへと昇華されていく。
「センパイィ……! あああぁぁ……!」
 一際、高い声がベッドから上がり、絵理に回されていた腕がズルリとベッドへ落ちる。事切れるように意識を失ったサイネリアに満足したのか、絵理は体を離した。杭のようなペニスがサイネリアの体から引き抜かれ、まだ射精をしていないせいか、あまりの威容に思わず尾崎は喉を鳴らした。
 今からアレに。
 邪魔にならないようにサイネリアをベッドの端に寄せると、絵理はポンポンと枕を叩く。もう逃れられない。促されるままに尾崎はヨロヨロと立ち上がると、笑みを浮かべたままの少女に口を開いた。
「用意するから、シャワーを浴びせて」

/

「いつからサイネリアと?」
 シャワーを浴び終えた尾崎は、髪を乾かしながら絵理に尋ねる。もう必要ないからと体に巻いたタオルは取り上げられ、後ろから絵理の好きなようにされながらも、どうしても気になることだった。顔は見えないが、少女は心底楽しそうに答える。
「……嫉妬?」
 そうじゃない、と咄嗟に言い返しそうになる口を閉じる。何をムキになっているのか自分でも分からないが、シャワーを浴びている最中もそればかりが尾崎の頭を駆け巡っていたのだ。自分よりも先にしていたのか、愛されていたのか。どういう風にしているのか。こだわればこだわるほど惨めな思いになっていくことは分かっているのだけれど、女としての意地のようなものが尾崎を苦しめている。絵理もそれは十分に分かっているからこそ、あえて答えをはぐらかした。
 そこそこ乾いたことを確認すると、絵理が乱暴に尾崎をベッドの上へと投げ出す。抵抗しないままに放り出された隣には、もう心地良い寝息を立てているサイネリアがいる。よりによって顔はこちらに向けられ、もしも起きたらどうすればいいのか。もうあちらの痴態は嫌というほど見たのだから、と割り切るには流石に状況が状況だ。尾崎は懇願するように絵理に目配せするが、絵理はもう尾崎の体に夢中になっていた。乳房に手を這わせ、その頂きを口に含む。空いた方の手は既に膣口に収まり、思うように尾崎を嬲っていた。すぐに肉体と思考は切り離される。
 もう何度体を重ねたか分からない二人は黒と灰色の世界の中、スムーズな動きでお互いの欲しいものをさらけ出す。シックスナインの形をとると、数日振りの男性器を尾崎は丁寧に口の中で奉仕する。あまりの大きさに全てを咥えきれないが、舌で丁寧に自分の唾液を塗りつけていく。特にさっきまで違う女と交わっていたことで、自分のものだと言わんばかりの熱心なフェラチオを繰り返す。時折、膣をほじくる舌先の刺激に脳がショートしそうになりながらも、雌としての本能が絵理のペニスを咥えて放そうとしない。目一杯に逸物を頬張る顔はみっともないながらも、確かに喜色を露わにしていた。
 もう十分、舞台は整った。仰向けになった尾崎の脚を開くと、絵理はその間に体を割り込ませる。これ以上ないほどにそそり立つペニスには何も装着されていない。これをそのまま挿し込み、発射される精液を子宮へと流し込む。学生でも習うただの男女の営みも、一つの性しかないこの場では不恰好だが神秘的でもある。ついぞ絵理の精液に子を孕ませる機能があるか、調べることは叶わなかったが、もしも子供が出来たらと尾崎は覚悟を決めていた。それはとても無責任で不幸な出来事なのかもしれないが、その分、生まれてくる命を幸せにする努力をしよう。流石に少しだけ強張った表情を見せる絵理に、尾崎は手を伸ばしてその顔を優しく包み込む。
「来て、絵理」
 尾崎からすれば、口からついて出ただけの言葉。ただ、畜生の道を歩むと決めた少女がみっともなく歪んで初めて彼女は気づく。
 ああ、怖かったのね。絵理。
 何度、少女の孤独を励ます言葉をかけても満たされなかったもの。それがやっと落ちる涙の形となって溢れ出ていた。アイドルになる前の孤独。アイドルになってからの孤独。細い体で受け止めるにはちょっと物足りなくて、不躾で直情的な愛情でしか尾崎を独占できなかった不器用さ。完全だと思い込んでいた少女の不完全さを、尾崎はようやく理解した。
 徐々に降りてくる絵理の顔。重なる唇は触れ合うだけでも心地良い。二人にとって初めてのキス。お互いの全てを知っている二人の、唯一知らなかったところ。顔を離し、見上げる絵理は涙でクシャクシャになっていたが、とても綺麗だった。
「尾崎さん、愛してる」
「私もよ。絵理」
 もう一度重なる唇と唇。そのまま舌を滑らせ、流れる涙をすくい上げるともう止まらなかった。絵理の体が尾崎の体に密着し、視界の下のほうへと降りていく絵理と共に亀頭が女性器に触れたかと思った瞬間、勢い良く男根が中に侵入してきた。
「ひ……! あぁ!」
 粘膜と粘膜が直接交じり合う感覚。今までコンドームによって直には感じられなかった熱、硬さ、カリ首の高さ。それが全て尾崎を絶頂のその先へと誘っていく。実際、挿入れられた瞬間にも軽くイッてしまった体は気が狂いそうなほど快感を発している。ひと突きごとに膣襞がカリによって引き摺り掻き回され、長大な肉棒の先が子宮口まで遠慮なく責めこんでくる。ゴムの有る無しでここまで違うのだろうか。翻弄されるままに絵理に抱きつき、少女の顔を見るとその考えは違うと思い知らされた。
 尾崎さん、と少女は繰り返しながら気持ち良さそうに腰を揺らしている。小悪魔的でさえあった意地悪な笑みは消え、セックスの気持ち良さに没頭する女の子の顔。たまらずに尾崎が「愛してる」と耳元で囁くとビクリと体を震わし、更に強い突き込みに尾崎もまたグチャグチャにされていく。混じり気のない純粋な交尾。そこでやっと二人は、欲しくてもずっとすれ違い、諦めかけていたものに思い至った。
 愛。
 限界はすぐに訪れる。小刻みになっていく絵理の腰の動きに、尾崎は合わせるように脚を絵理の体へ絡みつかせる。もうこれで放さない。放してなるものか。絵理も同様に尾崎に抱きつくと、最後の瞬間に向かって腰をがむしゃらに振りたくった。
「尾崎さん、尾崎さん! 私、もう……!」
「きて! 絵理の熱いの、ぜんぶちょうだいぃぃ!!」
「尾崎さん! 尾崎さぁん!」
 尾崎の体の最奥。ビュッ、と音が聞こえてきそうなほどの射精。コンドームでは感じ取れなかった生の奔流に尾崎はグルンと世界が回ったような感覚で受け止めた。何度も子宮口に叩きつけられる迸りが尾崎の脳の神経を焼き切っていく。顔はだらしなく緩み、なかなか収まらない射精に体だけが小刻みに反応する。絶頂によってウネウネと波立つ膣襞が精液を奥へ奥へと飲み込んでいく。まるで、この精液の一滴たりとも逃してなるものかと、原始的な本能が尾崎を支配していた。
 長い長い射精が終わってもペニスが抜かれることはなかった。しばらく絶頂の余韻に浸っていた二人は、溶け合って交じり合うようにキスを重ねる。さきほどまで遠慮がちだった舌の交感は激しく、何かを確認するように二人はお互いの口腔内を味わう。
 ピロートークに入ることも無くお互いの唇を貪りあっていると、尾崎の方が先に音を上げた。また硬度を取り戻し始めた男根に絵理はニンマリと笑みを浮かべると「もう一回?」と小首を傾げる。断る理由もないし、断ることも出来るはずがない。尾崎はOKサインの代わりにキスをした。
 二回戦に入る二人。しかし、それは予想外の方向からの咳払いで遮られる。もう快感で意識も飛ばし気味な尾崎は彼女を見て、やっと今の今まで忘れていたことを思い出した。そんな中でも夢中に腰を振ってる絵理は大物と言うべきか。判断に迷うところだ。
「ずいぶん好き勝手ヤッテますネ。二人とも……」

/

「おっはよーございまーす! 今日もがんばりましょー!」
 876事務所の元気印、日高愛が朝早くから片手を突き上げる。母親譲りの声量をモロに食らってか、隣の涼は頭を揺らしていた。以前なら愛の大声だけでも怯えていた絵理も今は苦笑いを浮かべているだけだったが、すぐにその微妙な表情は欠伸へと変わった。そんな彼女の様子に箸が転がってもおかしい年頃の愛は、「寝不足ですか!? 絵里さん頑張ってますもんね!」とあんまり労わりのない労わりの言葉をかける。涼が真っ青な顔を浮かべているのも気にせず、絵理は浅く頷いた。
「ペットが、増えた?」
「あ、ペット買ってたんですね! しかも増えたんですね!」
 涼が会議室へと逃げ込むのも尻目に、愛は自分も欲しいとばかりに犬や猫の話を切り出すが、いまいち要領を得ない絵理の反応に首を傾げる。それも仕方ない。絵理は愛に見えないように携帯を取り出す。液晶画面に映し出されるペットの愛らしさに思わず笑みがこぼれてしまう。今日も出かけるギリギリまで可愛がってしまったと、画面に向かって少しだけ反省。でも、ペットが可愛いからいけないのだ。絵理は画面の中で白濁液に塗れ、一緒に倒れこむ尾崎とサイネリアを見て満足そうだ。
 結局、絵理からの被所有権を訴える尾崎とサイネリアの意見を汲み取って、二人とも飼うことにした。その際、両者に抗議の声が上がったけれど、体を使った説得で納得してくれた。「私が悪かったからもうやめて(クダサイ)」と咽び泣く尾崎とサイネリアがとても可愛かった。とっても。今度は首輪でも買ってこよう。
 気づけば、あれほどまで自分の中に巣食っていた暗い炎が見当たらないことに絵理は気づいた。今や焼け跡が見えるくらいで、残ったのは以前までとはちょっと違う自分。それでもサディスティックなところが消えないということは、どうやら自分の本性がそういうものだということなのだろう。
 一人でニヤニヤする絵理を不満に思ったのか、愛は体を乗り出してくる。
「今度、絵理さんのペット、見せてくれませんか?」
「んー、無理?」
 絵理の意外な返答に愛は目を丸くする。ここ最近になって絵理のそういうワガママが増えてきたと愛は思う。別に害があるわけでなし、今まで遠慮しがちだった彼女を知ってる愛からすれば嬉しい変化なのだが、さすがにちょっと唇を尖らせて抗議してみせる。
「どうしてもですか?」
「うん。どうしても。だって、可愛いから?」
「そんなー。絵理さんのケチー」
 ワガママでケチで冷酷で嘘つきで、そのくせ臆病で弱虫で見栄っ張り。その全てが絵理自身。
 絵理は窓の外から見える晴天にも負けないような笑顔を愛に向けた。
「うん。私って、ケチ?」





おわり 


あとがき

最後までお読み頂きありがとうございました。
次回もエロくて病んじゃってる感じの目指したいと思います。
それでは、また次回作で。

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