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SS / ウルトラグレートスーパーラブ2






 センパイ、やめてクダサイッ!

 拒否する声のなんと白々しいことか。迫る絵理になんら抵抗することなく、小蝿は絵理の唇を受け入れる。どうせそういうことを望んでいたのだろう。思いのほか、大胆な絵理に涙を浮かばせてまで受け入れる鈴木さんの顔はとても滑稽だった。唇が離れてもなお、名残惜しげに絵理を追う姿など笑いを堪えるのに必死になってしまう。そういう冗談はそのキチガイじみた格好だけにしてほしい。
「それじゃ、私、帰るね。サイネリア」
 キスを済ませた絵理はそそくさと立ち上がる。いくら人の気配がないとはいえ、真昼の公園でそういう行為はアイドルとして自殺行為に等しい。そこらへんはあの小蝿も分かっているのか、少し乱れているスカートを直すと、どこか気まずい空気をかきまぜようとワザとらしいほどの声をあげて絵理に背中から抱きつく。
「やっ……!」
 振りほどく絵理。ワケが分からないという顔の鈴木さん。もうおかしいったらありゃしない。
 小走りで去っていく絵理を、子蝿はいつまでも泣きそうな顔で見送っていた。


 車の助手席に乗り込むと、絵理はすぐに私に泣きついてきた。
「尾崎さん、これで良いですか?」
 見上げる顔はどこまでも不安に苛まれてるよう。私の言葉一つ、機嫌一つで崩れていく繊細な少女は、私が笑顔を向けると、同じように花が綻ぶような笑顔を浮かべる。喜んでくれた。褒めて貰える。まるで犬のそれと同じような表情に私の方までついつい、流れてしまいそうになる。
 けれど、私は彼女の髪を掴んでシートに押し付けることで、私の弱さも押し潰した。
 ひぅ、と小さい悲鳴が聞こえるが気にしない。無理矢理、絵理のスカートに手を突っ込むと彼女の中へと指を一息に突き入れる。こちらが思っていた以上にぬかるんでいたそこは、やすやすと私の受け入れた。それがまた、私を激高させるのも知っているというのに、悪い子だ。
「ねえなぁにこれは? 絵理、あなたまさか濡れてるの? あんなのに唇を許しておいて、それで感じてるの?」
「だってっ、尾崎さんがしろって、うぅっ」
「口答えしないの!!」
 思いっきり髪を引っ張り、彼女の頭をシートに打ちつける。無茶な体勢と柔らかなシートでほとんど痛みは感じないだろう。むしろ、乱暴を働かれたショックで瞳の色をなくす絵理。そう、抵抗の意思を削り取ることが目的。あなたが私に敵うなんてことはないの。だから、私の言うことを守っていないとお仕置きがあるのは当然。ごめんなさいごめんなさい、と繰り返す絵理にようやく満足すると、私は身を乗り出して彼女を抱きしめた。
 ぎゅぅっと、少し痛いんじゃないかっていうくらいの力で抱きしめるのが絵理のお気に入り。今までの彼女の性癖を鑑みるに、彼女は苦痛を快感にする向きが強いらしい。自然と背中に回された腕を感じて、私は絵理の耳元で囁く。抱きしめる腕の強さとは反対に優しく、触れれば壊れるシャボン玉よりも愛おしく。
 ごめんなさい、という言葉の間に私の名前が加わり、先ほどまで冷え切っていた絵理の体に熱が戻っていく。女は肉体の動物であるが、同時に精神に長けた存在だ。こうして心を触れ合わせる真似事だけでも彼女はある種の快感に酔うことが出来る。

 絵理。私にはあなたしかいないの。分かる?
 うん。
 あなたがいなくなれば、私は何も価値がないの。そうやって生きてきた。
 そんなことない。
 そうね、あなたがいるもの。だから絵理、私のものになってくれる?
 ……はい。

 まだまだ芯のところでは抵抗しているのだろう。絵理と付き合っていくうちに、彼女の本来的な強さが分かってきた。インターネットなんていう屑の中でも柔軟に生きてきた子だ。私なんかいなくても、絵理はいずれ芸能界に進んでいただろう。その背中を押したのがただ私だっただけで、彼女の展望には何の関係もない。
 けどごめんね、絵理。あなたは私が見つけてしまった。捕まえてしまった。
 自然と触れ合わせる唇。先ほどまで私の命令により無理矢理、させられていたものとは違うもの。おずおずと突き出される舌を吸い取ると、彼女は目を細めて涙を一筋、流した。




おわり

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