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SS / ウルトラグレートスーパーラブ







 彼女に性交渉を迫ったことを、ついには批判されることが無くなった。もちろん他人に話せる類のものではないのだから、私を罵る相手というのは自然と決まってくる。それでも私の隣に立つ年端もいかない少女は、私の手に指を絡ませながら微笑む。熱病に冒されたような瞳で見上げる彼女の顔は、押し倒して乱暴に犯した時から変わっていない。
 尾崎さん。
 私を呼ぶその声は猜疑心の欠片も無い、粘着質とまで言える響き。まるで私の名を呼んでいないと、寄り添っていないと死んでしまうかのように振舞う絵理を訝しむ声も少なくない。それでも構わないと思っていた。私はようやっと手中に収めたお人形さんのように彼女を愛し、そうして誰もが敵であったあの頃など忘れられる程の高みへと登る。そう信じて疑わなかった。私だけがそう信じていた。だから夜毎に彼女が必死に抵抗しても、私は力任せに"私の水谷絵理"へと塗り潰すことが出来た。

 やだ尾崎さんっ、やめ、信じてたのに、いやぁ!

 悲鳴混じりの拒絶も、毎晩のように続く行為に屈するように嬌声へと取って代わっていった。元々、そういうケのあるような素振りを見せていた彼女からして、比較対象など持ち合わせていないが、普通の女の子よりも折れるのに時間は掛からなかったと思う。途中、絵理の異変に気づいた小蝿もいたけれど、その時にはもう彼女の大半が私に屈服していた。
 念入りに彼女の心に刻み込んでしまったせいか、私の機嫌次第で、まるで世界が終わってしまうかのような顔を覗かせる時がある。
 どうしたの尾崎さん、私、何かした? ごめんなさい許して、許してください。
 周囲に人がいるにも関わらず、ベソをかいて懇願する姿に驚かない人はいなかった。それでも、その場で服を脱いで土下座しろという命令をしたとしても、彼女が実行するまでのものとは思っていないだろう。ネットアイドル出身という、多少の偏見込みだからこそ許されるその姿に、私は心の中で何度ほくそ笑んだののか。
 まだ出来上がっていない体に快楽を覚えこませたのも、絵理を屈服させるためとはいえ新たな弊害を呼んでいる。
 尾崎さん、私、もう。
 両の太ももをすり合わせて切なげな声をあげる絵理に、彼女のファンであれば興奮すること請け合いだろう。私の前でのみ見せる、彼女の欲情はそれこそ毎日といっても良いだろう。複雑な家庭環境の結果、絵理のプライベートの全てを掌握するのは容易過ぎて怖かったほどだ。いくら同姓とはいえ彼女をそれこそ、あの小蝿の言葉を借りれば金儲けの道具にしようとする輩のもとに一人で行かせるとは。最近では外にも出るようになって助かると、何の疑いも無く報告する能天気な馬鹿親の顔に、僅かばかりに絵理に同情したのは今でも秘密だ。
 そう、私だけが彼女の味方。彼女の理解者。だから、その心と体の全てを私に委ねるのも当然のことなのだ。なんだかんだで彼女の才能は十二分に認めている。あとはそれを後押しする誰かがいなかっただけ。私の復讐を二の次にしても、絵理に賭ける価値があったからこそ、私は喜んで畜生へと身を堕としたのだ。
 いずれ、いつかは私の真意に絵理は気づくだろう。そうしたらどうなるのか、私にもわからない。口汚く私を罵るのだろうか、それとも変わらずに、共に畜生の道を歩くのか。出来れば後者であってほしい願いは今更、媚びる神などいないことを悟っている私からすれば、なんともおざなりなモノであると一笑に飛ばす。
 神は私を無碍に扱った。だから私は絵理を使って復讐する。たとえ彼女の全てに傷を刻み込んでも、私がいないとゴミクズになるような精神的疾患を抱え込んでしまっても。

 愛してるわ、絵理。だから、私も愛して。

 絵理の頭を撫でると、彼女はくすぐったそうに笑った。


おわり

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